産業廃棄物や建設廃棄物をはじめとしたスクラップ等の運搬・保管には、多くの場合、鉄製の容器が使用されます。
これらの容器は同じような見た目でも、コンテナ・バッカン・産廃ボックス・鉄箱・鉄カゴ等、さまざまな名前で呼ばれますが、いずれも重量のあるものをまとめて運ぶのに適しています(この記事では、"コンテナ"という名称で説明していきます)。
コンテナには、運搬方法や内容物に応じて様々なタイプがあり、それぞれの使用状況に合った大きさを選ぶ必要があります。
コンテナの大きさいろいろ
状況に合ったコンテナを選ぶには、どんなものを保管し、どの程度の容積が必要なのか詳細を把握しておくとよいでしょう。
排出量に対して容積が小さすぎると、すぐ満タンになってしまって保管や運搬に手間がかかってしまいます。容積をオーバーして積みすぎたりすると、容器に歪みや損傷が生じたり、開閉式の場合は扉が閉まらなかったり、トラブルの元になります。
逆に、排出量が少ない場所で大きな容量のコンテナを選んでしまうと、満タンになるまでに時間がかかりすぎてしまいます。保管・設置のスペースが足りない場合もあるので、注意が必要です。
なお、容積の単位は立米(りゅうべい)と呼んだり、m3(立法メートル)と呼んだりします。1立米=1立方メートルです。 1立米の大きさは、縦1000mm×横1000mm×高さ1000mmとなります。
業として産廃の運搬収集を行うのであれば、1立米、2立米、6立米、8立米前後の大きさのコンテナがあれば、概ね対応ができるかと思います。排出量が大量であったり大型の廃棄物に対応するのであれば、13立米や20立米、さらには30立米ほどの大きさのものもあります。
コンテナ大きさ別の用途
1~3立米のコンテナは、小規模事業所や一般家庭を対象とした収集運搬業や廃棄物処理業において最も活躍する大きさです。複数設置の場合でも、段重ねによって省スペース運用することが可能です。
このうち、2立米が最も汎用的なサイズで、建設現場や商業施設、工場など幅広く使われています。これぐらいの大きさであれば、場所をとらないので設置場所が狭い場所でも活躍します。各種現場の分別ボックスや小規模事業所の産廃ごみ、一般家庭で廃棄物の多い場合や粗大ごみ収納などで広く使われるサイズになります。
大量に廃棄物を排出する場合などは、4立米以上のコンテナを使用します。 4立米だと、4t車の進入が出来ない事業所、工場、建設現場に適しています。
6~8立米であれば、敷地の広い事業者や工場・建設現場で使われ、がれき類・ガラス陶磁器くず等の重量物の保管にも適しています。
運ぶのがとにかく大容量であれば、20立米以上のコンテナを使用したりもします。
容積ごとのコンテナサイズの目安
排出量に対して適正容量のコンテナであっても、場所によって保管スペースが確保できない場合があるので注意が必要です。
容量ごとのコンテナサイズ目安を以下に紹介します。
・1.5立米コンテナの大きさは、縦900mm×横1800mm×高さ900mm前後のコンテナ(産廃ボックス・ミニコンテナと呼んだりもします)
・2立米コンテナの大きさは、縦1000mm×横2000mm×高さ1000mm前後のコンテナ(産廃ボックス・コンテナと呼んだりもします)
・6立米コンテナの大きさは、縦900mm×横1900mm×高さ3500mm前後の着脱式コンテナ
・8立米コンテナだと大きさは、縦1900×横3600mm×高さ1200mm前後の着脱式コンテナ
・13立米のコンテナだと大きさは、縦1900×横3600mm×高さ2000mm前後の着脱式コンテナ
これからコンテナを導入する業者様は、上記を参考に、コンテナを設置する予定の場所に十分なスペースがあるかあらかじめ確認しておくと良いでしょう。
コンテナサイズごとの積載・運搬方法
1~3立米程度のミニコンテナやコンテナの場合、ユニックやクレーン、フォークリフトでトラックの荷台に積載し運搬します。
これより大きい着脱式コンテナの場合は、フックロール(アームロール・アーム着脱装置付きコンテナ車)の後部ツメで車体の背中に引き上げ、積載します。 着脱式コンテナをフックロール車体の背中に引き上げる際は、着脱式コンテナの後部が接地してしまう形になりますが、基本的にコンテナ底面の設置部分にコマ(ベアリングローラー)がついているので、コンテナ底面を傷つけにくく、引き上げやすい構造になっています。
そもそも積込みが困難な大きさや重量の廃棄物の場合は、爪(グラップル)付のツカミ車(ローダークレーン搭載車)が活躍します。ツメで廃棄物を掴み、コンテナに入れることが可能です。 大量の産業廃棄物等を運ぶ場合は、フルトレーラーによってコンテナを運搬したりします。
コンテナ購入をご検討の方へ
コンテナの購入を検討されている場合、ご使用になる車両の仕様や、保管場所のスペース、内容物の種類、運搬後の作業内容を十分考慮し、各メーカーのコンテナを比較・検討するとよいでしょう。
皆様のご参考になれば幸いです。