バッテリーフォークリフトの状態を遠隔監視し、稼働効率の改善。

バッテリーフォークリフトの状態を遠隔監視し、稼働効率の改善。バッテリーロガーのご紹介

ロジスティクス業務においては、倉庫や工場の運用効率化が重要な課題となります。その中で、バッテリーフォークリフトの稼働効率を改善するために日々尽力している方も多いと思います。

効率改善のためには、まずは現状把握することから始まります。しかしながら、各車両の稼働状況を見極めるのは簡単なことではありません。

またバッテリーフォークリフトは、運用状況によってはバッテリー短命化につながる恐れがあり、予期せぬ稼働停止が起こる場合もあります。しかしながら、各車両が適正にメンテナンスされているかを確認するのは、現場に張り付かない限り難しいです。

それらの課題を解決するため、今回はバッテリーフォークリフトの稼働状況やメンテナンス状態を遠隔監視することができる「バッテリーロガー」をご紹介します。

PCやスマホを利用して、車両の稼働状況やバッテリーの状態を定期的に確認できることで、生産性の向上や業務効率の改善を実現することが可能になります。フォークリフトの物流改善に課題を感じている方は是非ご参考ください。

バッテリーフォークリフトの遠隔管理が物流改善につながる3つの理由

バッテリーフォークリフトを使用している事業者の悩みの一つが、バッテリーの寿命です。バッテリーが寿命に達した場合は交換が必要になりますが、交換自体に大きなコストがかかるのはもちろん、予期せぬ短命化によって業務の遅延や停止が発生する恐れがあります。

それを防ぐためには、稼働する車両のバッテリーがどのような状態かを把握する必要がありますが、中大規模な倉庫では複数台のフォークリフトを同時に稼働させる現場も多く、一台一台を管理し適正に運用するのは至難の業です。

こうしたバッテリーフォークリフトの課題を一気に解決してくれるのが、今回ご紹介する遠隔監視システム「バッテリーロガー」です。

バッテリーロガーは、フォークリフトのバッテリー状況を5分間隔でモニターし、実測データをクラウド環境に送信します。クラウド環境にデータが蓄積されるので、インターネット環境さえあれば、手元のPCやスマホを使って、いつでもどこにいても監視することができるという仕組みです。

ではここから、遠隔管理システムがフォークリフトの稼働効率改善につながる理由を、3つの視点から解説していきます。

理由1.バッテリーの稼働時間や状況を把握できる

1つ目の理由は、バッテリーの稼働時間や状況を把握できることです。

フォークリフトのバッテリーは、適切な使い方やメンテナンスを実施することで、長持ちさせることができます。逆に、メンテナンスが適正に行われないとバッテリーの短命化につながり、酷い場合は年単位で寿命が縮む場合もあります。

短命化を避け、より長くバッテリーを使うためには、次の3項目を適正範囲内で運用する必要があります。

①バッテリー温度

上のグラフは、バッテリー温度と寿命の相関グラフです。特に、バッテリー温度が50度を超えると、寿命が極端に短くなります。稼働が多い車両の場合は、酷使や頻回充電によって適正範囲外の温度となっている状況も多々見受けられます。

そういった車両はバッテリー交換の頻度も高く、通常よりも多大なコストがかかっている場合もあります。また、バッテリー交換時は車両の稼働も止まるため、普段稼働量が多い車両が停止することによって業務の遅延が起こる可能性もあります。

②バッテリーの放電量

上のグラフはバッテリーの放電深さと充放電回数の相関グラフです。

たとえば、極端な例となりますが、1日の稼働量が100%の放電が必要な事業所の場合、100%放電で1回充電(1日1回)を行うと約700サイクル÷365=1.9年で寿命となります。

一方で、50%の放電で1回充電(1日2回)を行うと、約1700サイクル÷365×2=2.3年となり、100%放電と比較すると1.2倍の寿命となります。

また充電が頻回すぎても短命化に繋がるため、電圧残量が全容量の30~50%(上記グラフの放電深さ70~50%)の範囲で運用することが適正となります。

遠隔監視データでは、バッテリーの電圧変動もモニタリングできるため、稼働時間の把握はもちろん、充電頻度が適正かどうかも一目で把握することができます。

③バッテリー液量

フォークリフトバッテリーは随時精製水を補水する必要があります。液量が少ない状態で充放電を行うと、電池内部の電極その他が劣化しやすくなり、寿命が極端に短くなります。

 

遠隔管理システムはバッテリーの液量もモニターしているため、液量不足をタイムリーに検知することが可能です。 遠隔モニタリングを使ってバッテリーの稼働時間や状況を把握できれば、バッテリーの状態を絶えずチェックできるため、短命化につながる状況や過負荷状況を回避できます。

また、複数台の車両がある場合も、各車両のバッテリー状態が見える化されるので、管理がしやすくなります。 データを基に、稼働スケジュールや動線、充電タイミングを見直すことで、バッテリーの状態をより良い状態で長く保つことが可能になります。

その結果、車両の停止時間やバッテリー交換頻度を減らし、車両の稼働効率を改善するのはもちろん、全体として大きくコストを下げることも可能になります。

例えば、一台の車両だけを頻繁に使用しているなら、別の車両を稼働させ負担を分散できます。仮に一台のみ保有している場合も、交換サイクルを計算し、複数台のほうがトータルコストが安くなると試算できる場合は追加車両の導入を視野に入れることもできます。

過放電や頻回充電といったバッテリーの短命化につながる状況を監視できるため、改善を施し効率的な運用が可能です。フォークリフトの稼働状況から物流のオペレーションそのものを検証・改善することもできるでしょう。

その他にも、データの蓄積が進むことでバッテリーの交換時期を予測できる点や、管理業務の負担を軽減できる点も改善につながるポイントです。

理由2.急なバッテリーの破損による業務の遅延を防止できる

遠隔管理システムがフォークリフトの稼働効率改善につながる理由の2つ目は、急なバッテリーの破損による業務の遅延・停止を防止できること。

車両の稼働効率改善を目指す上で、フォークリフトが正常に動いていた時間を意味する「稼働率」を高めることが重要です。しかしメンテナンス不足からくるバッテリー破損等により運用がストップすれば、稼働率が下がり荷役業務の遅延をまねいてしまいます。

遠隔管理によりバッテリーの状況をチェックしていれば、上記のようなトラブルを未然に防ぐことが出来ます。メンテナンスの効率も高まるため、トラブルの原因をいち早く排除し対策を講じることが可能です。

トラブルが起きてから後手後手で対応するのではなく、先回りしてメンテナンスや対策に役立てることで、物流改善につなげます。

理由3.コストを削減できる

コストが削減できる点も、遠隔管理システムの導入が物流改善につながる理由の一つです。 フォークリフトのバッテリーを交換するとなると、電池の容量にもよりますが最低でも数十万円程度の費用がかかります。ディーラーによる純正バッテリー交換となると100万円を超えるケースも珍しくありません。

日頃から遠隔監視システムを導入しバッテリーの状況を監視し適正な運用をおこなえば、バッテリーを長く良い状態に保つことができます。短命化による交換を軽減でき、コストの削減につながります。

バッテリーフォークリフトの遠隔監視システム「バッテリーロガー」の詳細

バッテリーロガーをフォークリフトのバッテリー本体に取り付けることで、電圧や温度、接点信号等といった各種情報を安定かつ高い精度で取得します。取得したデータはクラウド環境に送信され、蓄積されます(LTE次世代高速通信回線を使用)。

では、ここからバッテリーロガーの主な特徴3つをご紹介します。

特徴1.自動アラート機能

バッテリーロガーでは、液面・温度・電圧の3つの情報を取得し、各情報を元にしてバッテリーの状態を3段階のレベルで管理します。

バッテリーの状態が「危険」に相当するレベル3に到達すると、各種アラートが事前に登録しておいたメールアドレスに自動で届きます。これによって、随時データをチェックせずとも、危険な状態を回避することが可能となります。

アラート種類は以下の6つです。

1.液面アラート:液面なしの状態が3日以上続いた場合に警告
2.温度アラート:バッテリー中心部分のセル間の温度を監視。液面の温度が70℃以上になったら警告
3.過充電アラート:トータル電圧を検知し、セル電圧が2.8V以上で警告
4.過放電アラート:電圧値が1.5V以下になった場合に警告
5.長時間連続充電アラート
:電圧値が2.25V以上が20時間以上で警告
6.長時間未充電アラート:2回連続で電圧値が2.2V以上の充電がないと警告

特徴2.クラウド連携

バッテリーロガーによってバッテリーから取得されたデータはクラウド環境に自動送信されます。そのため、インターネット接続がある環境であれば、PCはもちろんスマホ・タブレットといったモバイル端末によっていつでも、どこでもアクセスすることができます。

例えば複数の倉庫で稼動するフォークリフトの状況を手元で一元的に管理したり、遠隔地のフォークリフトの状態をいつでも確認できたりと、バッテリー管理の効率化や利便性の向上を実現できます。

特徴3.データ分析

バッテリーロガーではシンプルな設計を採用することで、情報を元にした分かりやすいデータ分析が可能です。データは数値化やグラフ化され直感的に視覚情報として把握できるよう設計されており、バッテリーフォークリフトの状態を一目で把握できます。

またデータはCSVファイルとして出力できるため、データの管理や共有が容易となり業務の効率化を実現できます。クラウドに蓄積されたデータは期間を指定することでレポートとして出力でき、比較や検証、担当者間での情報共有などに活用することが可能です。

バッテリーロガーを標準搭載「GB Traction Battery」

上記でご紹介したバッテリーロガーは、当社取り扱いの電動フォークリフト用バッテリー「GB Traction Battery」に標準搭載されております。GB Traction Batteryは国内アセンブリによって組立・調整された新品バッテリーであり、各種バッテリーフォークメーカーの純正バッテリーと同等品質であることを試験により実証しています。

もしフォークリフトのバッテリー交換をご検討中の場合は、こちらの商品ページをご覧ください。

また、各種純正バッテリーに今回ご紹介したバッテリーロガーを後付けで取り付けることも可能です。 バッテリーロガーの導入により、物流における車両の稼働効率向上はもちろん、現場の管理意識の工場につながったという声もいただいています。

各種お問合せ・お見積りはこちらのフォームからご用命ください。

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