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フォークリフトとは?
フォークリフトとは、車体の前部に2本の爪のような「フォーク」を持つ荷役専用の自動車で、重い荷物の移動に利用されます。支柱(マスト)を伸ばすことでフォークが持ち上がり、車体より高い位置に荷物を運べるのが特徴です。
フォークリフトは、倉庫での荷物の積み下ろしやトラックへの積み込み作業、さらには建築現場など、さまざまな場所で活躍します。
フォークリフトはバッテリー式が主流
フォークリフトには、ガソリン式とディーゼル式を含む「エンジン式」と「バッテリー式」の2つがあります。以前はエンジン式が主流でしたが、現在のフォークリフトはバッテリー式が主流となっています。
フォークリフトのバッテリーは適切に充電することで、寿命を長持ちさせられます。
参考:http://www.jiva.or.jp/
フォークリフト用バッテリーには4種類の充電方法がある
フォークリフト用バッテリーの適切な充電は、フォークリフトの効率的な運用とバッテリーの寿命を延ばすために非常に重要です。
フォークリフトには、用途や状況に応じて選べる4つの充電方法があります。
フォークリフト用バッテリーの適切な充電方法を理解して、フォークリフトのパフォーマンスを最大限に引き出しましょう。
最適充電(自動充電/普通充電)
最適充電とは、使用した分の電力を補充する充電方法のことで、日常的な使用では最適充電が推奨されています。最適充電は、バッテリーの電圧が全容量の30%から50%程度に減少したタイミングで充電を行うことが理想的です。
充電を開始する際には、充電コードを差し込み、「最適」と表示されたボタンを押すことで、充電が自動的に開始されます。
ただし、充電残量が減っていない状態で充電を行うと過充電となり、バッテリーの寿命が短くなる可能性があるため注意しましょう。
均等充電
均等充電とは、フォークリフト用バッテリーの各セルの電圧や比重を均等にするために、通常の充電よりも長い時間をかけて行われる充電方法です。均等充電の目的は、すべてのセルが100%以上に充電され、バッテリー全体のバランスを整えることです。
均等充電は、月に1〜2回の頻度で行うのが理想的とされており、特に長期間使用されていないバッテリーや過放電状態になったバッテリーの回復に効果的です。
ただし、過度な均等充電はバッテリーの寿命を縮める可能性があるためご注意ください。
また、メーカーや機種によっては「最適充電」と「均等充電」が自動的に選択される場合があるため、使用前に取扱説明書を確認しましょう。
予約充電
予約充電とは、充電の開始時間と終了時間を事前に設定できる充電方式です。予約充電を利用することで、あらかじめ設定した使用開始時にバッテリーが満充電状態となり、バッテリー液の温度低下や時間経過による容量低下を防げます。
例えば、連休前に休み明けの8:00に充電が完了するよう予約することで、最適な状態で作業を開始できるでしょう。
また、複数のバッテリーを持つ現場では、予約充電を活用して夜間の電力料金が安い時間帯に充電を行うことで、コスト削減にもつながります。
ただし、予約充電はフォークリフトに内蔵された時計データに基づいて動作するため、日付や時刻設定が正確であることが重要です。
設定に誤りがあると、正しく充電が行われない可能性があるため注意してください。
補充電
1回の充電で1日の作業を完了できない場合や、途中で充電を中断する必要がある場合には、昼休憩中などの短い時間を利用して補充電を行います。補充電では、約1時間でバッテリーの10〜15%が回復します。充電を中断する際は、必ず停止ボタンを押してから、電源プラグ、充電プラグの順に抜いてください。
充電が終わった後の処理方法
フォークリフト用バッテリーの充電が終わったら、以下の手順で作業を完了させてください。
電源停止ボタンを切る
電源スイッチを切る
電源プラグを抜く
車体側にあるコンセントから充電プラグを抜く
充電ケーブルを所定の場所に戻す
バッテリーカバーを閉めてボンネットキャッチをロックする
事故やトラブルを防ぐためにも、手順を守って処理しましょう。
フォークリフトのバッテリーを充電する際の注意点
フォークリフトのバッテリーを充電する際には、雨がかからず、風通しの良い場所で充電を行うことが大切です。
また、トランスなどの発熱体やスパークが発生する可能性のあるものの近くでは充電しないようにしましょう。
充電前には、プラグ、ケーブル、ターミナルに損傷やゆがみがないかを点検します。
点検した結果、電源のかしめ部分が痛んでいたり、端子と一体化された電線の付け根が腐食している場合は使用を避けてください。
また、補水には必ず蒸留水または精製水を使用しましょう。
フォークリフト用バッテリーの寿命を縮めないためのコツ
フォークリフトのバッテリー寿命は、充電回数に換算するとおよそ1200〜1500回程度とされており、平日に毎日使用する場合で約5〜6年間使用できる計算になります。
ただし、充電方法を誤るとバッテリーの寿命が短くなることもありますので、バッテリーは適切に充電しなければなりません。
ここでは、フォークリフト用バッテリーの寿命を縮めないための充電コツについて解説します。
過充電・過放電に注意する
過充電は、バッテリーが十分に充電されているにもかかわらず、さらに充電を続けてしまう状態です。過充電を防ぐためには、バッテリーの残量が30%前後になった時点で充電を開始し、充電が完了したらすぐに充電器から外しましょう。
過放電は、バッテリーを完全に使い切ってしまう状態で、特にバッテリーの残量が0%の状態で長時間放置されると発生しやすくなります。
過放電を防ぐためには、バッテリーの残量が20〜30%を下回る前に充電を行い、残量が0%になるまで使い切らないようにしてください。
定期的にバッテリー液を補充する
フォークリフト用バッテリーの寿命を長く保つためには、定期的にバッテリー液の補充を行ってください。過度な充電によってバッテリー内の水分が減少すると、液量が不足し、バッテリーが正常に機能しなくなるリスクがあります。
毎日フォークリフトを使用する場合は、少なくとも週に1回、使用頻度が少ない場合でも月に1回程度は液量を確認し、必要に応じて補充を行いましょう。
この際、各セルに均等に液を補充することが大切です。水分が多すぎると、液が吹き出し、バッテリーの上面や周辺を腐食させる原因になるため、適切な量を守ることもポイントです。
このような定期的なメンテナンスを行うことで、バッテリーの寿命を延ばし、フォークリフトの性能を長期間にわたって維持できます。
長期間保管している時の充電方法
フォークリフトを長期間保管する際は、過放電にならないように定期的に充電する必要があります。
まずは、フォークリフトを長期保管する前に均等充電を行います。その後は、15〜30日ごとに均等充電を1回行ってください。
寒冷時の連休明けの充電方法
寒冷時の連休明けには、バッテリーの保温目的で自動充電を行うケースがあります。バッテリーの保温目的で自動充電を行う場合は、充電経過表示ランプが一番上まで点灯し、自動充電ランプ(緑)が点滅します。充電が完了したら、必ず停止ボタンを押してから充電プラグと電源プラグを抜きましょう。
フォークリフト用バッテリーは適切に充電して長持ちさせよう!
フォークリフト用バッテリーには4つの充電方法があり、それぞれの充電方法で仕組みや充電時間などの違いがあります。
フォークリフト用バッテリーは、間違った充電を続けていると、バッテリーの寿命が縮んだり故障の原因となるため注意が必要です。
充電方法ごとの特徴や注意点をしっかりと理解して正しくバッテリーを充電し、バッテリーをできるだけ長持ちさせましょう。