産廃ボックスのサイズの種類や運搬、回収方法について解説

産廃ボックスのサイズの種類や運搬、回収方法について解説

産廃ボックスは、建設現場や廃棄物置き場などで使うもので、産業廃棄物を保管したり運搬、回収したりする際の入れ物をいいます。

産廃ボックスがあれば、廃棄物を一定量、溜めてから処分できるので便利です。また、産廃ボックスを活用することで、収集や運搬コストを抑えられるメリットもあります。

本記事では、産廃ボックスのサイズや種類、運搬方法などについて詳しく解説します。


産廃ボックスとは

産廃ボックスとは、産業廃棄物を入れる容器で、効率的に運搬や回収するために使うものです。産廃コンテナの中の一種になります。産廃ボックスは、四角型で大型の鉄製の容器です。

産廃ボックスは固定できるため、容器を安定させながら積み重ねることが可能です。そのため、多くの産業廃棄物を小スペースに保管できる点がメリットといえるでしょう。また、産廃ボックスは、専用の脱着装置付きのフックロールで引き上げられ、そのまま運搬もできます。

産業廃棄物を入れる容器の種類

  • フレキシブルコンテナバッグ
  • 脱着装置付きコンテナ
  • 産廃ボックス(バッカン)

産業廃棄物を入れる容器には、産廃ボックスのほかにも布やポリプロピレン樹脂などの素材で作られたフレキシブルコンテナバッグや鋼鉄製の脱着装置付きコンテナもあります。

すべての容器に共通するのは、排出された産廃物をきれいにまとめられること、そして現場の清潔の維持に役立つということです。

産廃ボックスのサイズ

産廃ボックスは大きさごとの種類があります。排出される廃棄物の量や用途によって使い分けられています。

1~3立米

1~3立米は、一般的によく使用されるサイズの産廃ボックスです。コンパクトで、設置スペースが狭い場所でも使えて便利です。主に、金属くずや木くずなどの小さくて軽い廃棄物を入れるのに適したサイズです。

4~8立米

4~8立米の産廃ボックスは、重量がある産業廃棄物を運搬する際に使用されることが多い大きさです。コンクリートくずや石膏ボードなども入れて回収・運搬ができます。

12立米以上

12立米以上の大きさがある産廃ボックスは、建設現場や解体工事などで使われます。大量の廃棄物が発生する場所や、大型の産業廃棄物を運搬する際に適しています。

12立米以上になると産廃ボックス自体の大きさも大きく、運搬の際は大型の車両を使用するため、設置するスペースや運搬のルートをあらかじめ確保しておく必要があるでしょう。

また、産廃ボックスは、一般的な鉄箱タイプ、扉付きタイプや底が開くタイプ、回転フォークリフトに対応しているもの、作業水抜き用の穴が空いているものなど用途に合わせてさまざまな機能があるものがあります。

オーダーメイドで特殊な機能性のある産廃ボックスを作るメーカーもあるため、特定の産業廃棄物を収容する産廃ボックスが必要な場合は、新たに注文も可能です。

産廃ボックスのサイズ一覧表

産廃ボックスのサイズには、次のようなものがあります。

容量

高さ

0.5㎡

600mm

1,200mm

600mm

1.5㎡

900mm

1,800mm

900mm

2㎡

1,00mm

2,000mm

1,000mm

4㎡

1,800mm

1,800mm

1,200mm

8㎡

1,900mm

3,600mm

2,000mm

13㎡c

1,900mm

3,600mm

2,000mm

 

上記は一般的なサイズですが、取り扱う会社によって産廃ボックスの大きさは異なる場合があります。同じ容量であっても縦、横の長さや高さが違うこともあるため、あらかじめ大きさを確認した方がよいでしょう。

また、産廃ボックスに入れられるものと入れられないものがあるので注意してください。

産廃ボックスに入れていいもの

産廃ボックスに入れられる産業廃棄物は、以下になります。

  • 紙くず
  • 繊維くず
  • 木くず
  • 金属くず
  • がれき類
  • ガラスくず
  • コンクリートくず
  • 陶磁器くず
  • ゴムくず

基本的に産廃ボックスには、固形のものであれば保管できます。

産廃ボックスに入れてはいけないもの

産廃ボックスに入れられないものは、以下になります。

  • 蛍光灯・水銀灯
  • 乾電池・リチウムイオン電池
  • 生ゴミ・食品・食べ残し
  • PCB含有廃棄物
  • 石綿含有廃棄物
  • エアコン・テレビ・冷蔵庫・冷凍庫・洗濯機・衣類乾燥機など家電リサイクル法の対象品目

ほかにも、廃酸や廃アルカリ、化学物質が付着している産業廃棄物も入れられません。また、産廃ボックスは後部が観音開きになっているタイプもあるため、汚泥や焼却灰などの液状または粉末状のものは運搬や保管中に外に流出してしまう可能性があるので注意が必要です。

産廃ボックスのメリット

産廃ボックスを使うメリットは、業務の効率化やコスト削減などがあります。

業務の効率化

産廃ボックスを使えば産業廃棄物を入れていっぱいになった時点で、産廃ボックスごとにアームロール車やフックロール車などの専用車両に簡単に脱着して収納できます。産業廃棄物の入れ替えの必要はなく、ボックスの積み重ねが可能なので、効率的に運搬作業や保管が可能です。

産廃ボックスは、さまざまなサイズがあるため、現場の面積や産業廃棄物の排出量に合わせて、大きさを選べ、廃棄物ごとの分別がしやすい点もメリットといえるでしょう。数量管理も簡単でリサイクル率向上にもつながります。

コスト削減

産廃ボックスを使用することで、一度にまとまった量の産業廃棄物を運ぶことができます。そのため、人件費や運搬費用を抑えられます。また、分別が容易になることで、産業廃棄物の処理費用を減らすこともできるでしょう。

産業廃棄物の飛散や流出防止

産業廃棄物の保管は、廃棄物処理法で定められた保管基準を守って行わなければいけません。産業廃棄物を入れる容器は、荷重に対しての耐性があることだけではなく、廃棄物の飛散や流出、悪臭などが生じないよう対策を取る必要があります。

産廃ボックスは鉄製で強度が高く、産業廃棄物の保管に適しています。蓋付きの産廃ボックスなら、害虫や害獣の侵入や発生を抑えることも可能でしょう。

産廃ボックスを取り扱う際に気をつけるべきポイント

産廃ボックスを使う際には、次のことに注意しましょう。

  • 保管基準を守る
  • 適切なサイズと数を用意する
  • 設置するスペースを確保する

保管基準を守る

産業廃棄物は、正しく扱わないと悪臭や有害物質発生の原因となる場合があります。そのため、産廃ボックスで保管する際も、廃棄物処理法で規定される保管基準を守って取り扱いしなければいけません。

保管基準は次の通りです。

  • 産業廃棄物保管の旨と必要事項を記載した掲示板の設置
  • 保管場所の周りへ囲いを設置
  • 飛散・流出・地下浸透・悪臭発散を防止するための措置を取る
  • 屋外で容器なしで保管する際は積み上げ高さの制限を守る
  • 公共水域や地下水汚染への対策を取る
  • 害虫・害獣が発生するのを予防する対策を取る

これらの保管基準に違反すると、改善命令の対象となることもあるため注意が必要です。

適切なサイズと数を用意する

排出される産業廃棄物の種類や量、頻度から計算して産廃ボックスのサイズや必要な数量を算出して用意しましょう。

1つの産廃ボックスの中で廃棄物を分別することは難しく、保管だけの場合は分別ができることもありますが、運搬や荷下ろしの際に混ざってしまう可能性があります。

分別したい廃棄物の数だけ、産廃ボックスを設置するようにしましょう。

設置するスペースを確保する

産廃ボックスを設置するための十分なスペースを確保しましょう。大きなサイズの産廃ボックスは、一度に大量の廃棄物をまとめて運ぶことができて便利ですが、現場によっては設置するスペースがない場合があります。

事前に設置スペースと運搬ルートを確認して、適切なサイズの産廃ボックスを用意する必要があります。産廃ボックスは、鉄製の箱のため、重量が重く、設置する際に壁を傷つけてしまう可能性もあるので必要に応じて養生するとよいでしょう。

また、産廃ボックスは上の部分に蓋がないタイプが多いため、上から水やゴミが入らないよう設置場所を考えたり、防水タイプのコンテナシートでカバーしたりするなどの工夫が必要になる場合もあるでしょう。

コンテナシートなら、ゴムバンドなどでしっかり固定しておけば、悪臭の放出や雨水の侵入を防げるだけではなく、盗難や外部からの投げ入れなどのリスクも減らせます。

産廃ボックスの使い方

産廃ボックスは、大きさによって使い方が異なります。1〜3立米の小容量の産廃ボックスの使い方は、クレーンやフォークリフトを使って車両に載せるやり方です。

大容量の産廃ボックスの場合は、専用のアーム着脱装置が取り付けられたコンテナシステム車両で、車両の後ろにあるアームのつめに産廃ボックスを引っかけて車両に引き上げた状態で運びます。

産廃ボックスを引き上げて運ぶときは、一片が地面に接地した状態になるため、産廃ボックスの下部にはコマと呼ばれるローラーがつけられていて、スムーズに上げ下げが行えますす。

引き上げるときは、斜め上の方向に持ち上げるため、十分な広さと高さが必要です。

産廃ボックスのコスト

産廃ボックスの設置費用は、業者やボックスの大きさによって変わります。通常は、設置から撤収、移動、処分までの費用を合わせると数千円~十数万円ほどかかる場合があります。

ただし、あくまでも目安なので、正確な見積もりは業者のホームページで確認しましょう。適正な価格を知るためにも、複数の業者から見積もりを取って、料金を比較、検討することをおすすめします。

また、一時的な工事で産廃ボックスを保有していない事業者が産廃ボックスを利用したい場合は、レンタルサービスもあります。収集運搬を行う事業者から産廃ボックスをレンタルしておき、廃棄物が一定量溜まったところで回収に来てもらうやり方が一般的です。

ほかにも、一時的に追加の産廃ボックスが必要になった場合に、貸し出しを行っている事業者もあります。レンタル内容はそれぞれ事業者によって異なり、一日単位や月極などで貸し出しているので、必要に応じて適したサービスを利用しましょう。

産廃ボックスのサイズはいろいろ|廃棄物の量に合わせて選別を

産廃ボックスは、建設現場や解体現場で排出された産業廃棄物を保管、運搬するために使うコンテナの一種です。

産廃ボックスはコンテナよりも大量の産業廃棄物を取り扱うことができるため、効率的に作業できます。廃棄物の量や現場のスペースなどに応じて、適切な容量の産廃ボックスを選びましょう。

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