産廃コンテナとは?運用方法や種類別の用途・サイズ感・注意点も解説!

産廃コンテナとは?運用方法や種類別の用途・サイズ感・注意点も解説!

コンテナとは?

コンテナとは、箱・入れ物・容器のことで、主に輸送や保管に使われます。

コンテナに使われる素材は、鋼鉄やアルミニウムなどの金属製が一般的ですが、木材やプラスチック製のものもあります。

また、段ボール箱・ドラム缶・石油缶・ポリタンクだけでなく、冷蔵庫や冷凍庫で食品を保存するための容器もコンテナと呼ばれます。

コンテナはサイズも様々で、手で持ち運べるものから、大型トラックや船で運搬される大型のものまで存在します。

産廃コンテナとは?メリットについても解説


コンテナには様々な種類があると説明しましたが、産業廃棄物の保管や収集運搬に使われるのが「産廃コンテナ」です。

例えば、建築現場などの産業廃棄物が大量に出る現場では、廃棄物が排出される度に処理業者に依頼すると、手間も費用もかかります。

そこで、排出される産業廃棄物を種類ごとに分けて産業コンテナに保管しておき、一定量たまってから回収することで、収集・運搬を効率よく行えます。

また、産業廃棄物を産廃コンテナに保管することで、現場が整理整頓され清潔が保たれることもメリットでしょう。

産廃コンテナには、蓋を閉められるものや密閉効果があるもの、箱状から袋状のものまであるので、廃棄物の種類に応じて適切なものを選ぶことが重要です。

産廃コンテナには3種類ある!それぞれの特徴や用途


産業コンテナには、主に以下のような3種類があります。

  1. フレキシブルコンテナバッグ
  2. 脱着装置付きコンテナ
  3. 産廃ボックス (バッカン・鉄箱)


それぞれサイズ感や用途などが異なるので、特徴を見ていきましょう。

フレキシブルコンテナバッグ|効率的に保管や輸送ができる

フレキシブルコンテナバッグ(フレコンバック)とは、袋状のコンテナです。

フレキシブルコンテナバッグは多様な業界で使われるので、「トン袋」「ジャンボ土嚢」「トランスバック」「クロスコンテナ」「トンパック」など様々な呼ばれ方をします。

フレキシブルコンテナバッグは、布やポリプロピレン樹脂といった柔軟性のある素材でできていますが、自重の1,000倍までの廃棄物を収納し運搬できるのが特徴です。

フレキシブルコンテナバッグは、主に以下のような産業廃棄物の収集運搬に使われます。

  • 汚泥
  • 細粒状や粉状の廃棄物
  • がれき類
  • 紙くず
  • 木くず
  • 繊維くず
  • 金属くず
  • 燃え殻
  • コンクリートくず
  • 廃プラスチック


フレキシブルコンテナバッグは、水分が多い汚泥などを長時間保管するのには不向きなのでご注意ください。

フレキシブルコンテナバッグにはベルトがついているので、クレーンやフォークリフトに吊上げて簡単に移動できるのもメリットでしょう。

しかし、フレキシブルコンテナバッグを積み上げて保管すると崩れてしまい、トラブルが起きる可能性があります。

トラブルを防ぐためにも、3段以上積み上げて保管はしないでください。

脱着装置付きコンテナ|容量が大きく大量の廃棄物を運べる

脱着装置付きコンテナとは、容量が大きい鋼鉄製のコンテナです。
大量の廃棄物を保管・収集できるため、解体工事現場や建設現場で役立ちます。

脱着装置付きコンテナは、主に以下のような産業廃棄物の収集運搬に使われます。

  • がれき類
  • ガラスくず
  • コンクリートくず
  • 陶磁器くず
  • 燃え殻
  • ばいじん金属
  • 紙くず

脱着装置付きコンテナは、「脱着装置付きコンテナ専用車(アームロール車)」に搭載して運搬できます。

運搬までの流れとしては、一定量の廃棄物がたまった脱着装置付きコンテナを、脱着装置付きコンテナ専用車に搭載されたアームで荷台に移して処理場に運びます。

産廃ボックス (バッカン・鉄箱)|上下を反転させられる

産廃ボックスは、容量の大きい鉄製のコンテナで「バッカン」や「鉄箱」とも呼ばれます。
先ほど紹介した「脱着装置付きコンテナ」と似ていますが、産廃ボックスは脱着装置付きコンテナ専用車(アームロール車)には装着できず、トラックやダンプ車の荷台に積み込みます。

産廃ボックスは、主に以下のような産業廃棄物の保管に使われます。

  • 廃プラスチック
  • 紙くず
  • 木くず
  • 金属くず
  • 石膏ボード
  • ガラス陶磁器が混合した廃棄物

産廃ボックスは鉄製なので、液体や酸性の物体・物質を入れると腐食するので注意しましょう。

産廃ボックスは、クレーンで吊り上げて積み重ねや移動ができるだけでなく上下反転できるため、中身を取り出しやすく掃除がしやすい構造となっています。

また、固定装具が付いているのでしっかりと固定でき、安定して積み重ねられることもメリットでしょう。

産廃コンテナのサイズについて


ここまで、3種類の産廃コンテナを紹介しましたが、それぞれサイズ感も異なります。

ここでは、それぞれの産廃コンテナのサイズについて解説するので、使用状況や用途に合ったサイズを選ぶ参考にしてください。

フレキシブルコンテナバッグのサイズ

主流なフレキシブルコンテナバッグのサイズは、以下の通りです。

  • 直径:1,100mm
  • 高さ:1,100mm
  • 容量:1,000L
  • 最大耐荷重:1,000L


最大耐荷重1,000Lを基準として、直径500mm×高さ900mmほどの小さいサイズから、直径1,300mm×高さ1,550mmほどの大きいサイズのものまで製造されています。

フレキシブルコンテナバッグのサイズはメーカーごとに異なるので、希望するサイズのものがなければ、メーカーにオーダーメイドできないか相談してみるといいでしょう。

また、フレキシブルコンテナバッグの主流な形状は、丸型(円筒状)と角型(角筒上)の2種類です。

脱着装置付きコンテナのサイズ

脱着装置付きコンテナの容量には4㎡〜35㎡以上があり、コンテナを積むトラックのサイズや規格、産業廃棄物の量によって異なります。

コンテナを設置するスペースがどれくらいあるか、またコンテナが通る道路の幅を考えて最適なサイズを選ぶことが大切です。

さらに、コンテナを設置する場所だけでなく、コンテナを脱着装置付きコンテナ専用車(アームロール車)に着脱するスペースも考慮しましょう。

次に、脱着装置付きコンテナ専用車(アームロール車)の容量別に、脱着装置付きコンテナのサイズを解説します。

2t車用のサイズ
2t車用のアームロール車に着脱できる、容量が4㎥〜6㎥の脱着装置付きコンテナのサイズは以下の通りです。

容量

長さ

高さ

4㎡

1,540mm

2,730mm

900mm

5㎡

1,200mm

6㎡

1,500mm



4t車用のサイズ
4t車用のアームロール車に着脱できる、容量が6㎥〜14㎥の脱着装置付きコンテナのサイズは以下の通りです。

容量

長さ

高さ

6㎡

2,020mm

3,600mm

825mm

8㎡

1,100mm

10㎡

1,375mm

12㎡

1,650mm

14㎡

1,925mm


10t車用のサイズ
10t車用のアームロール車に着脱できる、容量が16㎥〜29㎥の脱着装置付きコンテナのサイズは以下の通りです。

容量

長さ

高さ

16㎡

2,300mm

6,000mm

1,200mm

20㎡

1,520mm

25㎡

1,800mm

29㎡

2,100mm


10t以上の大型車のサイズ
10t以上の大型アームロール車に着脱できる、容量が28㎥〜39㎥の脱着装置付きコンテナのサイズは以下の通りです。

容量

長さ

高さ

28㎡

2,300mm

8,000mm

1,500mm

29㎡

8,500mm

33㎡

8,000mm

1,500mm

35㎡

8,500mm

39㎡

8,500mm

2,000mm


産廃ボックス (バッカン・鉄箱)のサイズ

産廃ボックスは、アームロール車に脱着できないので、そのままトラックやダンプ車に積み込みます。

そのため、脱着装置付きコンテナと比較してサイズが小さく、容量が2〜4㎥ほどのものが広く使われています。

産廃ボックスのサイズは以下を参考にしてください。

容量

長さ

高さ

0.5㎡

1,200mm

600mm

600mm

1.5㎡

1,800mm

900mm

900mm

2㎡

2,000mm

1,000mm

1,000mm

3㎡

1,800mm

1,800mm

900mm

4㎡

1,800mm

1,800mm

1,2,000mm


産廃コンテナを運用する方法


建設現場や解体現場では、大量産業廃棄物が次々と排出されます。

産業廃棄物が排出されるたびに回収業者に依頼したり、都度自分たちで処理場に運んでいると、時間も費用もかかります。

大量の産業廃棄物が排出される現場において、産廃コンテナは効果を発揮します。

産業廃棄物が排出されたら産廃コンテナに保管して、一定量までたまってから業者に依頼する、もしくは自身で処理施設に運びます。

保管から収集・運搬までがスムーズに行えるため、産業廃棄物の処理にかかる時間やコストを大きく節約できるでしょう。

産廃コンテナの購入費用・レンタル費用

産廃コンテナを確保するためには、購入もしくはレンタルする方法があります。

産廃コンテナの購入費用は、メーカー・種類・サイズによって変動しますが、フレキシブルコンテナバッグは1枚数百円〜数千円と安価で購入できます。

一方で、脱着装置付きコンテナ(アームロール車込み)の購入費用は、400万円〜1,000万円と高額です。

購入費用を抑えたければ、中古コンテナの購入も視野に入れるといいでしょう。

産廃コンテナを購入する際は、コンテナの保管場所や保管する廃棄物の種類、コンテナを運ぶ車両のサイズなどもしっかりと考慮し、複数の商品を比べて検討してください。

産廃コンテナをレンタルする場合、コンテナの回収と廃棄物の処分まで依頼できる業者もあります。

コンテナの貸出し+回収処分用を含めた1日レンタル費用は、容量が1.4㎡の産廃コンテナの場合で25,000円〜30,000円、容量8㎡の産廃コンテナの場合で75,000円〜150,000円ほどかかります。

産廃コンテナの貸出し期間は業者によって異なりますが、1日レンタルだけでなく月額レンタルに対応してくれる業者もあります。

複数のレンタル業者から相見積もりを取り、予算に合わせてレンタル業者を選びましょう。

産廃コンテナを運搬する方法

産廃コンテナを運搬する方法は、産廃コンテナのサイズごとに異なります。

1〜3㎥のフレキシブルコンテナバッグや産廃ボックスは、フォームリフトやクレーンを使ってトラックやダンプ車などの荷台に載せて運搬します。

容量の大きい脱着装置付きコンテナは、脱着装置付きコンテナ専用車(アームロール車)に載せて運搬します。

アームロール車にはアーム着脱装置が取り付けられていて、車両の後側から伸びるアームの爪に脱着装置付きコンテナを掛け、引き上げて荷台に載せます。 過積載には要注意

産廃コンテナで産業廃棄物を収集・運搬する際は「過積載」に注意しましょう。

トラックには、荷物を積載できる量が決められており、最大積載量を超える荷物を積むと「過積載」となります。

過積載は道路交通法で禁止されているため、過積載であると判断された場合、運転手には罰金刑や懲役刑が科されます。

さらに、産業廃棄物の運搬を依頼した側も責任を問われるので注意しましょう。
また、繰り返し過積載を行っていると、警察から「再発防止命令」が出されます。
再発防止命令を守らなかった場合は、6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金が科されます。

過積載は道路交通法違反であるだけでなく、車体が安定せず荷物が運転中に落ちるなど、大きな事故に繋がる危険性も高いです。

過積載を防ぐには、利用する産廃コンテナの最大積載量を必ず確認することが大切です。
また、料金設定が相場と比べて安すぎる業者や評判の悪い業者の利用は控えましょう。

収集運搬業者に対して過剰な値引きを無理強いすると、過積載のリスクが高くなるため、お互いがルールを守って取引することが重要です。

参考:過積載についての資料

産廃コンテナを設置する場所

産廃コンテナ、産業廃棄物をまとめて保管できる便利なアイテムで、主に解体現場や新築・リフォーム現場、物流倉庫などで使われます。

産廃コンテナを廃棄物を捨てづらい場所に置くと、作業効率が悪くなってしまいます。

そのため、回収業者や収集運搬業者としっかり話し合い、現場や周囲の環境のことも考えて、効率的に作業ができる場所に設置しましょう。

また、産廃コンテナを移動させるのにクレーン車・アームロール車・フォークリフトなどの車両を使う場合、車両が作業するスペースについても考慮しなければなりません。

このように、産廃コンテナはどこにでも自由に設置できるわけではなく、総合的に判断して設置する必要があるのです。

産廃コンテナで産業廃棄物を保管する際の注意点


産業廃棄物は、廃棄物処理法に基づいて保管する必要があります。
まず、産業廃棄物を保管する場所の周囲には囲いを設け、必要事項を書いた掲示板を設置しましょう。

産廃コンテナの種類によっては蓋が無いものがあるため、カバーや防水シートを使い、産業廃棄物の飛散や流出、悪臭を防がなければなりません。
もし汚水が発生する可能性があるなら、公共水域や地下水が汚染しないようにすること、また、鼠などの害獣やハエなどの害虫対策も徹底します。

この他にも、石綿含有産業廃棄物の保管は飛散の防止を行うこと、水銀使用製品産業廃棄物の保管は他と混同しないことなどの規則があります。

産業廃棄物を取り扱う際には、必ず産業廃棄物と保管・処理・製法に関する法律や基準をしっかりと確認して理解しておきましょう。

参考:産廃知識 保管基準
参考:廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則
参考:廃棄物の処理及び清掃に関する法律

フレキシブルコンテナバッグを使う際の注意点

フレキシブルコンテナバッグは金属製の産廃コンテナとは異なり、柔らかい素材で作られています。

そのため、フレキシブルコンテナバッグに産業廃棄物を保管する際は、事前に袋やベルトなどに不備や破損といった異常が見られないかを確認しましょう。

フレキシブルコンテナバッグは繰り返し使えますが、屋内で使う機会が多いのであれば破損などがないかの点検を徹底してください。

産廃ボックス (バッカン・鉄箱)を使う際の注意点

産廃ボックスは金属製のコンテナなので、フレキシブルコンテナバッグのように保管している産業廃棄物が漏れるケースは少ないでしょう。

しかし、金属も経年劣化するので、定期的に点検を行い腐食していないかなどを確認してください。

産廃コンテナの種類ごとの特徴を知り効率的に廃棄物を運搬しよう


産廃コンテナには、主に「フレキシブルコンテナバッグ」「脱着装置付きコンテナ」「産廃ボックス」の3種類があり、それぞれサイズ感や運搬方法、保管に適した産業廃棄物などが異なります。

排出される産業廃棄物の種類や現場の規模、購入やレンタルにかかる費用などを総合的に判断して、最適な産廃コンテナを選んでください。

また、産業廃棄物は法律に基づいて厳重に管理する必要があるため、産廃コンテナを使う前に法律やルールをしっかりと確認し、上手に活用しましょう。
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