電動(バッテリー式)フォークリフトの特徴

電動(バッテリー式)フォークリフトの特徴

多くの荷役現場で活躍するフォークリフトですが、稼働方式は電動(バッテリー)式と内燃機関(エンジン)式の2種類です。

2020年の日本国内フォークリフト販売実績は合計81,779台、このうちバッテリー式が全体の63%、エンジン式が全体の37%を占めています。

近年の国内の傾向を見ると、エンジン式の需要は減少傾向となっている一方で、バッテリー式の需要は伸びている状況です。国内でバッテリー式が人気の理由は、排ガス規制の基準が厳格化されたことが大きな要因となっています。

一方、海外向け(輸出)の販売実績は27,442台で、うちバッテリー式は全体の31%、エンジン式は全体の69%を締めている状況で、国内需要とは逆になっています。

例えば、​世界最大のフォークリフト生産・販売国である中国では、エンジン式フォークリフトが最も売れており、2020年では全体の54%がエンジン式という状況になっています。

ただ、中国国内においてもバッテリー式フォークリフトの需要はエンジン式よりも高い成長率となっており、環境問題に関する要求とともにさらに需要が伸びてくると考えられます。

世界市場全体の傾向としては、操作性・整備性の高い小型タイプのバッテリー式にシフトしている動きが顕著になっています。スマート製造業やインテリジェント倉庫の発展による貨物の小型化や、パレット資材の標準化が進んでいること、環境への意識の高まり等が背景です。

バッテリー式フォークリフトの長所

前述のとおり、バッテリー式フォークリフトの需要が今後もさらに高まっていくものと予想されますが、エンジン式と比較した場合のバッテリー式のメリット・デメリットとは具体的にどのようなものでしょうか?

燃費の安さでランニングコストダウン

まず一番に挙げられるのが、燃費がエンジン式よりもバッテリー式のほうが安い点です。

フォークリフトの燃費は、車両タイプや運搬重量・走行速度などに左右されるため正確な計算はできませんが、1.0トンのカウンタータイプで仮に50%稼働運転とした場合、ディーゼル車なら2.4L~3.3L程度が1時間あたりの消費目安となります。一日5時間作業したとして、軽油の燃料単価を125円/Lとすると、一日あたり1500円~2060円ほどを要する計算となります。

一方で、バッテリー車なら1.0トンのカウンタータイプで50%稼働運転とした場合、3.2~3.4kW程度が1時間あたりの消費目安となります。一日5時間作業したとして、1kWhあたりの料金を25円とすると、一日あたり400円~425円ほどを要する計算となります。

一日の差額でいうとバッテリー式のほうが1100円~1635円ほど安くなる計算です。一年間の営業日数を244日間とすると、268,400円~398,940円ほどコストが安くなる試算になり、軽油価格の変動にもよりますが、大幅なコストダウンにつながることが分かります。

ただし、ここで無視できないのがバッテリーの交換費用です。バッテリー交換にかかる費用は高額で、容量にもよりますが、車両メーカー系ディーラーだと100万円前後かかります。


仮に5年でバッテリー寿命に達するとすると、100万円÷5年間=20万円が1年あたりのコストになります。そのため、バッテリー交換費用も含めたコストで考えると、年間68,400円~198,940円ほどがコスト削減金額となります。

もちろん、ガソリンや軽油の値段が高騰すると、バッテリー式のコストメリットが大きくなってきます。

小回りの利く運転性能と部品故障リスクの低さ

次にメリットとして挙げられるのが狭い場所での作業に適した走行性能です。エンジン式のフォークリフトは、バッテリー式よりもパワーやスピードに優れる分、車体の小型化が難しく、どうしても車体サイズが大きくなってしまいます。そのため、小回りを必要とする場所には不向きになります。

バッテリー式は車体がコンパクトで小回りがきき、走行時の騒音も発生しません。 また、バッテリー式はモーターを動力としていることから部品点数が少なく、エンジン式よりも故障リスクが低いという点もメリットになります。

環境への負荷が低い

バッテリー式は電気が動力になりますので排ガスが発生せず、化石燃料を使うエンジン式よりも環境への負荷が低くなります。 排ガスが出るエンジン式の場合、屋内で作業するとガスが充満してしまうため、基本的には屋外での使用が前提となります。

バッテリー式フォークリフトの短所

バッテリー式の場合、フル稼働させたとすると、満充電後でも4~5時間程度しか持ちません。バッテリーが消耗すると、もちろん充電が必要になります。

しかしながら、満充電には8時間程度もかかってしまいます。その間は稼働が止まってしまうため、たとえば運送会社様のような昼夜稼働しているような現場では、交換用の予備バッテリーをあらかじめ準備している事業所様も多々あります。

また、前述のとおりバッテリーは高額となることから、できるだけ長寿命にするための日々のメンテナンスが必要になります。

まとめ

世界的にも年々需要が増しているバッテリー式のフォークリフトですが、エンジン式と比べた場合にメリット・デメリットがあります。事業形態や荷役作業内容に適した車両を選ぶと良いでしょう。

屋内作業なら排ガスの出ないバッテリー式、パワーが必要な屋外作業ならエンジン式が向いており、ランニングコストではバッテリー式のほうがやや有利となります。

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